ソーシャルディスタンスのソーシャルって何?って話
今や当たり前の言葉となりましたね、「ソーシャルディスタンス」。皆さんご存じだと思いますが、テレビ番組で出演者が離れていたり、行列で2mおきに並んだりする、あれです。
この言葉、いつの間にか普通に使われていますが、冷静に考えると「ソーシャル」ってどういう意味で言ってるの、ってなりませんか?僕だけでしょうか?
今回はそのソーシャルってなんだよって疑問を解消すべく、色々調べました。
ソーシャルの意味
そもそも、ソーシャルって日本語に訳すと「社会的な」ってなりますよね。つまり、普通に考えると「ソーシャルディスタンス」は「社会的な距離」という意味になります。
感染症対策に人々が距離を開ける、という意味とはかけ離れたものですよね。今回の所謂「ソーシャルディスタンス」は、社会的には繋がっていながら物理的に距離をとる、という意味なのですから。普通に「フィジカルディスタンス」っていうべきだろ、って思いませんか?
そんな疑問を解消すべく語源を調べたら、専門用語と日本語の妙みたいなものが混ざりあってこんな状況になっているのだということが分かりました。
専門用語としてのソーシャルディスタンス
「ソーシャルディスタンス」という言葉は、社会学の専門用語らしいです。サイトによって微妙に書いてあることが違うのですが、「特定の個人や集団を社会から排除する」だったり、「個人間や集団間の親密性」を表す言葉のようです。
じゃあなんで、こんなへんてこなことになってるのかというと、今回コロナ禍で使われている「ソーシャルディスタンス」は、感染症対策の文脈で使われる「ソーシャルディスタンシング」という専門用語に当たるものであるわけです。こっちは現在使われているものにぴったし。
日本語に訳すときこのイング(ing)が抜けてしまって、こんな面倒な事態になっているっぽいです。
フィジカルディスタンスを使おうという動き
この面倒なことを除いても、なんかソーシャルディスタンスっていう言葉、誤解を生みやすいと思いませんか?社会的に距離をとるという意味にとられかねないわけです。社会的な人と人の繋がりは絶やさないのですから。
そういうことで、WHOも代わりにフィジカルディスタンシング(physical distancing)を使いましょうということを言っています。
やっぱり、ソーシャルという言葉に違和感を覚えたり、誤解を持ってしまう人も多いというわけですね。
人と人の関係を切らずに、物理的にのみとろうという意味が読み取れる、フィジカルディスタンシングもしくはフィジカルディスタンスという言葉がもっと使われるようになってほしいですね。